定期昇給とベースアップの考え方

~お知らせ~

 

人事考課表では、考課結果を集計するのに大変な労力が必要とされます。
人事担当者は、考課者へ考課表を配布することから始まり、
回収作業から回収された考課表をコンピューターに入力する業務までを何日もかけて行うことになります。また入力ミスも起こってしまいます。
人事担当者は、このような業務を簡単にできないものかと考えるのは当然です。
弊社ではこのような人事担当者の問題も解決すべく、Web人事考課システム『Light.』を開発しました。
興味のある方は、



Web人事考課 Light.

 

人 事担当者の方々もエクセルを使って昇給や賞与の計算を行っておられることと思われますが、その使用は担当者個人の能力に委ねられており、担当者の転勤など で他の担当者がそのシートを活用して昇給計算などを行うことは決して容易なことではありません。(他の担当者が、1から作りあげなければなりません。)ま た、エクセルには手続きを自動化できるVBAマクロが用意されていますが、そこまで活用されていないのが現状ではないでしょうか。
さて、関連企業「株式会社マネジメント・リソース」では人事制度を構築させていただいた企業様向けに下記のようなVBAマクロを使用した賃金・昇 給シミュレーションなどを提供させていただいております。
興味のある方は、



賃金・昇給シミュレーション

定期昇給とベースアップの考え方について書きましたので、是非参考にして下さい。

1.定期昇給とベースアップの違い

 

定期昇給は従業員個人の成長を受け止めるものであり、ベースアップは日本経済、産業、企業成長を受け止めるものです。
定期昇給は賃金制 度として賃金表に従って行われるものであり、ベースアップは毎年団体交渉で賃金表の書替えを行うものとして考えられます。

 

2.定期昇給の役割

 

定期昇給は、ベースアップと違い昇給の既得権が認められていると言っても言い過ぎではありません。
定期昇給は賃金制度で保障されているもので、これを変えることは制度そのものを変えることにほかならないと言えます。
そこで、定期昇給を考える上で留意しておかなければならないことは、どこまで同等級における能力の伸長(勤続)を認めるのかが重要なカギとなります。こ のことは職能給における上限の設定、号俸の制限につながり、企業として慎重に決定しなければなりません。

3.ベースアップの役割

 

ベースアップは物価上昇、初任給の 上昇に伴う賃金の是正の他に賃金表の書替えという点に着目した場合、歪んだ職能給の是正に使用することができます。このことは、次の図に示すようにベース アップの格差が職能給の年功的運用から徐々に能力主義的運用に移行させることが可能であることを示しています。

 

 

 

4.範囲職能給の格差が能力主義につながる

 

職能給における昇格昇給は、職能給 の能力的色彩を左右するものであるといってよいでしょう。特に範囲職能給(青天井型を除く)の場合、早く上位等級に昇格すれば昇格昇給額が大きく、遅く昇 格すれば昇格昇給額が小さく設定することが可能となります。(ただし、必ず賃金は昇格した等級の下限額まで引き上げることが前提となる。) このことは図に示すように早く昇格しようとも、遅く昇格しようとも昇格す れば最低支給される金額が同額であることを示しています。能力のある者(早く昇格できる者)は年齢、勤続に関係なく、その等級に応じた賃金が 支給され、たとえ能力のある者が現時点で下位等級に位置していたとしても、上位等級で停滞(滞留)している者の賃金を簡単に抜き去ることができると言えま す。

 

 

さて、ここで問題です、定期昇給は人件費総額原資を上昇させると思われますか。・・・・・答えはNOです。
定期昇給は賃金表に従って上昇するものですから企業全体から考えますと直接人件費総額のアップはありえません。たとえば、100人の従業員がいる会社とし ます。この会社に今年5人の新入社員を採用し、5人の従業員が定年退職したとしますと年功的運用がなされている会社では水道管の中の水の量と同じで人件費 総額原資は全くかわりません。もし、人件費総額原資が変わるするならば、ベースアップが原因です。
日本の企業の定期昇給率は2.0%~2.5%ぐらいと言われていますが、今年の昇給も2.0%~2.5%ぐらいですからベースアップは実質0%ということになります。


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